乱数発生(分析ツール)

「乱数発生」機能は、指定した数と範囲の乱数を生成するためのツールです。

ここで作成される乱数は統計的なシミュレーションやモデリング、あるいはデータ分析のテストなど、様々な場面で使用されます。乱数を生成する際には、生成する乱数の量、最小値、最大値、平均、標準偏差などのパラメータを指定することができます。

操作手順(基本)

具体的な手順は次のとおりです。

まず、Excelの「分析ツール」アドインが有効化されていることを確認してください。「ファイル」タブから「オプション」を選択し、「アドイン」をクリックします。アドインの一覧で「分析ツール」が表示されていなければ、「管理:」ボックスで「Excelアドイン」を選択し、「設定」ボタンをクリックします。次に表示される「アドイン」ボックスで、「分析ツール」のチェックボックスをオンにし、「OK」をクリックします。

  1. 「データ」タブを開き、「データ分析」をクリックします。「データ分析」ボタンが表示されない場合は、「分析ツール」アドインが有効化されていない可能性があります。
  2. 「データ分析」ダイアログボックスが表示されたら、一覧から「乱数発生」を選択し、「OK」をクリックします。
  3. 次に「乱数発生」ダイアログボックスが表示されます。ここで、生成する乱数の設定を行います。以下の設定項目があります:
    • 「変数の数」: 生成する乱数列の数を指定します。
    • 「乱数の数」: 各列に生成する乱数の数を指定します。
    • 「ランダムシード」: 乱数生成器の初期値を指定します(任意)。
    • 「分布」: 乱数の分布を選択します(例:均一、正規など)。
    • 「パラメータ」: 選択した分布に応じてパラメータを指定します(例:一様分布の場合は最小値と最大値、正規分布の場合は平均と標準偏差)。
  4. 「出力範囲」を選択し、乱数を表示するセル範囲を指定します。
  5. 必要な設定が完了したら、「OK」をクリックします。指定した範囲に乱数が生成されます。

「分布」の種類

乱数発生ではいくつかの「分布」が選択できます。各分布についての詳細な説明を以下に示します:

  1. 均一分布: この分布は、すべての可能な出力が同じ確率で発生するという特性を持っています。つまり、ある範囲内のすべての数値が同じ確率で選ばれます。均一分布は通常、最小値と最大値の2つのパラメータを持ちます。
  2. 正規分布: 一般的に「ガウス分布」または「ベルカーブ」とも呼ばれ、その形状は「ベル形」または「鐘型」と表現されることが多いです。この分布は平均値を中心にして左右対称で、平均値と標準偏差の2つのパラメータによって特徴づけられます。
  3. ベルヌーイ分布: この分布は、ある試行が成功するか失敗するかの2つの可能な結果を持つ確率的な事象をモデル化します。例えば、コイン投げのような事象がこれに該当します。成功の確率p(0から1の間の値)がパラメータとなります。
  4. 二項分布: 二項分布は、一定の数の独立したベルヌーイ試行からなる確率的な事象をモデル化します。各試行は成功または失敗の2つの結果を持ち、成功の確率は試行間で一定です。パラメータは試行の数nと成功の確率pです。
  5. ポワソン分布: この分布は一定の時間間隔または空間内で発生する独立した事象の回数をモデル化します。例えば、ある時間内の電話の着信数などがこれに該当します。平均到着率λがパラメータとなります。
  6. パターン分布: ユーザーが定義した一連の数値やパターンを乱数として生成します。このパターンは、乱数が生成される度に繰り返されます。
  7. 離散分布: この分布は離散的な事象、つまり個別の数値やカテゴリに関する確率的な事象をモデル化します。ユーザーは各出力が発生する確率を定義することができます。

「ランダムシード」について

「ランダムシード」は乱数生成器が乱数の列を開始する点を決定するために使われます。「シード」とは乱数生成の開始点で、これを設定することで同じ「シード」値からは常に同じ乱数列が生成されることを保証します。つまり、特定のシードを使って乱数を生成すれば、後で同じシーケンスを再現することができます。

特定のシード値を指定しない場合、乱数生成器は通常、現在の時間などの「ランダムな」値をシードとして使用します。これにより、異なる時間に乱数が生成されるたびに、異なる乱数列が得られます。

Excelの「乱数発生」機能では、「ランダムシード」欄に任意の数値(通常は整数)を入力することで、特定のシードを設定できます。この数値を変更すると、生成される乱数列も変わりますが、同じシード値を再度入力すれば、以前と同じ乱数列を再生成することができます。

 

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