条件付き集計関数の「(検索)条件」についての完全解説

条件付き集計関数:概要

「条件付き集計関数」は、特定の条件を満たすデータを対象に集計を行うExcelの関数群です。これにはAVERAGEIF, SUMIF, COUNTIFなどの関数があり、これらは単一の条件を基にデータを集計します。さらに高度なAVERAGEIFS, SUMIFS, COUNTIFSなどの関数もあり、これらは複数の条件を指定して集計を行うことができます。ただし複数条件が設定可能である関数でも条件指定はAND条件のみでありOR条件の指定ができないことに留意してください。

  • 検索対象が単一条件のみ
    • COUNTIF: 指定した範囲内で特定の条件に一致するセルの数をカウントします。
    • SUMIF: 指定した範囲内で特定の条件に一致するセルの合計値を計算します。
    • AVERAGEIF: 指定した範囲内で特定の条件に一致するセルの平均値を計算します。
  • 検索対象に複数の条件が使用可能(複数指定時はAND条件処理)
    • COUNTIFS: 複数の条件を満たすセルの数を範囲内でカウントします。
    • SUMIFS: 複数の条件を満たすセルの合計値を範囲内で計算します。
    • AVERAGEIFS: 複数の条件を満たすセルの平均値を範囲内で計算します。
    • MAXIFS: 複数の条件を満たすセルの中での最大値を取得します。
    • MINIFS: 複数の条件を満たすセルの中での最小値を取得します。

「条件付き集計関数」の「条件」や「検索条件」という引数は、英語版Excelでは共に「criteria」として表されます。これは特定の条件を設定して、その条件を満たすデータを集計対象とするために用いられる引数です。例えば、特定の値が閾値を超えるかどうかを基準にデータを集計する場合などに利用します。この「条件」を利用することで、大規模なデータセットから必要なデータだけを効率的に抽出して集計を行うことが可能になります。

このコーナーでは「条件付き集計関数」の引数である「条件」「検索条件」の設定方法について解説します。

「条件」「検索条件」「criteria」の指定例

以下は「条件付き集計関数」の引数である「条件」「検索条件」「criteria」の意味と使用サンプルです。「A」は『文字データ』、「N」は『数値データ』、「D」が『日付/時刻データ』とします。

サンプルにはわかりやすくCOUNTIF関数を使っています。第一引数が「範囲」、第二引数が「検索条件(criteria)」ですが、他の条件付き集計関数でも使用方法は同じです。

一致と不一致

名称 意味:集計対象 使用例とルール
完全一致(文字) Aと等しい =COUNTIF(C2:C28,”会社法”)
文字データは”で囲む
完全一致(数字) Nと等しい =COUNTIF(E2:E28,1400)
数値単独ならば記号では囲まない
完全一致(日付/時刻) Dと等しい =COUNTIF(C2:C28,”2014/4/27″)
スラッシュ(/)区切りの日付・コロン(:)区切りの時刻は「”」で囲む。
不一致(文字) Aと等しくない
A以外
=COUNTIF(C2:C28,”<>会社法”)
先頭に半角不等号ペアを左から並べて記号と文字を”で囲む
不一致(数字) Nと等しくない
N以外
=COUNTIF(E2:E28,”<>1200″)
数値でも不一致検索ならば検索条件を”で囲む
空白一致 空白・空欄である =COUNTIF(E2:E28,””)
空白は「””」
空白不一致 空白・空欄以外
セルに値がある
=COUNTIF(E2:E28,”<>”)
空白以外は「<>」

数値・日付・時刻との大小比較

不等号とイコールを同時使用する場合は不等号が先になります。

名称 意味:集計対象 使用例とルール
大なり・超 Nより大きい
Dより後
=COUNTIF(E2:E28,”>1400″)
半角の>で開始し、比較対象と共に”で囲む。
以上・以降 Nを含めてNより大きい
N以上
Dを含めてDより後
D以降
=COUNTIF(E2:E28,”>=1400″)
半角の>=で開始し、比較対象と共に”で囲む。
小なり・未満 Nより小さい
Dより前
=COUNTIF(E2:E28,”<1400″)
半角の<で開始し、比較対象と共に”で囲む。
以下・以前 Nを含めてNより小さい
N以下
Dを含めてDより前
D以前
=COUNTIF(E2:E28,”<=1400″)
半角の<=で開始し、比較対象と共に”で囲む。

文字列の部分一致

半角の「*」「?」はワイルドカートとよびます。そこへは何が入力されていても可とします。「*」は文字数不特定のワイルドカードです。「?」は1文字限定のワイルドカードです。

名称 意味:集計対象 使用例とルール
前方一致 Aで始まる =COUNTIF(C2:C28,”会社法*”)
*には何文字が入っても可とする
前方不一致 Aで始まらない =COUNTIF(C2:C28,”<>会社法*”)
後方一致 Aで終わる =COUNTIF(C2:C28,”*入門”)
後方不一致 Aで終わらない =COUNTIF(C2:C28,”<>*入門”)
部分一致1 Aを含む =COUNTIF(C2:C28,”*税*”)
部分不一致 Aを含まない =COUNTIF(C2:C28,”<>*税*”)
部分一致2 Aを含む(文字数限定) =COUNTIF(C2:C28,”?法???”)
半角?は1文字分を意味する
部分一致3 Aを含む(*?の検索) =COUNTIF(C2:C28,”*~?”)
「*」や「?」を検索文字列にする場合は前に「~」を付ける

練習用のサンプル表

上記の計算式のテストをするためのサンプル表です。Excelへコピーして計算設定のテストをすることができます。※「=””」は画面には表示されません。

書籍番号 書名 発刊日 金額 在庫 条件1 会社法
1001 ケーススタディ民法 2016/10/28 1400 条件2 1400
1002 交通六法 2016/02/27 2700 条件3 2014/04/27
1003 法人税法の基礎 2015/12/27 2700 条件4 1200
1004 会社法 2014/10/27 2800 条件5 入門
1005 民法総則 2015/03/27 2700 条件6
1006 判例六法 2016/01/27 2400 条件7
1007 基礎法入門 2014/09/27 2500 条件8※ =””
1008 やさしい経済法 2015/08/27 2500 条件9 <>
1009 刑法各論 2016/07/28 2100
1010 現近代民法 2014/10/27 1400
1011 会社法概論 2014/04/27 2000
1012 商法総則 2014/04/27 1900
1013 憲法 2016/09/28 2500
1014 商法わかるかな? 2015/11/27 1600
1015 倒産法入門 2014/01/27 2300
1016 破産法 2015/02/27 1200
1017 法社会学 2016/10/28 1500
1018 民事訴訟法学 2016/08/28 2800
1019 法学入門 2015/09/27 2500
1020 労働法の要点 2015/05/27 2400
1021 はやわかり刑法 2016/05/28 3000
1022 講義式憲法 2016/10/28 3000
1023 刑法講義 2016/05/28 2600
1024 会社法入門 2016/09/27 1300
1025 民法事例集 2015/06/27 1200
1026 六法全書 2014/03/27 2300
1027 労働法実務辞典 2014/09/27 2700

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