Excelで分散を計算する方法:母集団分散と標本分散の違いを理解しよう

Excelで母集団分散と標本分散の違いを理解しよう

Excelでは、データセットの分散を計算するために、母集団分散と標本分散という2つの関数が用意されています。この記事では、それぞれの関数の違いと、実際のサンプルを使って計算方法を紹介します。

分散とは

分散は、データのばらつきを表す統計量で、データが平均値からどれくらい散らばっているかを示します。分散が大きいほど、データのばらつきが大きいことを意味します。

母集団分散と標本分散の違い

分散は、データのばらつきを数値化したものです。Excelでは、分散を計算するために2つの関数が用意されています。

母集団分散は、母集団全体のデータを用いて計算される分散です。一方、標本分散は、母集団から抽出された標本データを用いて、母集団分散を推定するための分散です。標本分散は、母集団分散の不偏推定量であるため、標本データを使用して母集団の分散を推定する際には標本分散を用いることが一般的です。

  • 母集団分散:データ全体が母集団であると仮定して計算する分散。ExcelではVAR.P関数を使います。
  • 標本分散:データが母集団から取得した一部(標本)であると仮定して計算する分散。ExcelではVAR.S関数を使います。

母集団分散と標本分散の違いは、分母に使われる値が異なることです。母集団分散ではデータ数(N)で割りますが、標本分散ではデータ数から1を引いた値(N-1)で割ります。

サンプルデータを用いた母集団分散と標本分散の計算

以下のサンプルデータを使って、母集団分散と標本分散の計算方法を説明します。

A B C
1 名前 性別 テストの点数
2 山田 80
3 佐々岡 85
4 岸川 90

上記表のテストの点数に対する母集団分散と標本分散を計算してみましょう。

母集団分散を計算するには、次のように入力します。

=VAR.P(C2:C4)

この式を入力すると、母集団分散の値として16.66667が返ります。

次に、標本分散を計算するには、次のように入力します。

=VAR.S(C2:C4)

この式を入力すると、標本分散の値として25が返ります。

なぜ母集団分散と標本分散が異なるのか

母集団分散と標本分散が異なる理由は、標本分散が母集団分散の不偏推定量であるためです。標本分散では、分母にデータ数から1を引いた値(N-1)を使用することで、標本のばらつきをより正確に推定することができます。これにより、標本から母集団の分散を推定する際のバイアスが軽減されます。

標本分散は、標本のサイズが小さくても母集団の分散を推定するために設計されていますが、標本サイズが小さい場合、推定精度が低くなることがあります。標本サイズを増やすことで、推定値のばらつきが減少し、真の母集団分散に近づく可能性が高くなります。

まとめ

Excelでは、母集団分散と標本分散の2つの関数が用意されており、それぞれの違いと計算方法を理解することが重要です。母集団分散は、データ全体が母集団であると仮定して計算する分散であり、標本分散は、データが母集団から取得した一部(標本)であると仮定して計算する分散です。標本分散では、分母にデータ数から1を引いた値(N-1)を使用することで、標本のばらつきをより正確に推定できます。

母集団分散と標本分散は、それぞれ異なる目的で使用される分散です。標本分散は、標本データを用いて母集団の分散を推定するために使用されます。標本サイズが小さい場合でも標本分散を使用することは適切ですが、推定精度が低いことを認識しておくことが重要です。標本サイズを増やすことで、推定値のばらつきが減少し、真の母集団分散に近づく可能性が高くなります。

標本サイズが十分に大きい場合には、母集団分散と標本分散の違いはほとんど無視できる程度になります。したがって、標本サイズが大きい場合は、標本分散を用いても母集団分散を正確に推定できることが期待できます。

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