FILTER関数での複数条件設定 (3) AND条件とOR条件の組合わせ例

FILTER関数での複数条件設定 (3) AND条件とOR条件の組合わせ例

これまでにFILTER関数を使ったAND条件とOR条件の設定方法について学びました。今回は、これらの条件を組み合わせて、より複雑なデータフィルタリングを行うサンプルを見てまいりましょう。

ANDとORの組み合わせの基本

AND条件とOR条件を組み合わせることで、より詳細なデータ抽出条件を設定できます。この際、条件のグループ化に注意し、括弧を適切に使用することが重要です。

  • 複数条件を指定する際は、各条件を括弧で囲む
  • AND条件とするならば各条件を「*」で接続する
  • OR条件とするならば各条件を「+」で接続する

使用するデータセット

さて、FILTER関数での複数条件の設定例を見てまいりましょう。

以下のデータセットを使用して、ANDとORの組み合わせを実践します。このデータセットには、イベントの開催日、会場、天気、気温、来客数、売上が含まれています。

開催日会場天気気温来客数売上
2020/04/09上野晴れ18.510801159000
2020/05/15品川曇り17.39301071000
2020/05/14品川晴れ20.711001046000
2020/04/30上野晴れ17.39701043000
2020/03/06上野曇り1510001011000
2020/05/07町田曇り17.89201002000
2020/04/03上野晴れ20.5980977000
2020/03/05上野晴れ17.6840967000
2020/04/16上野曇り15930920000
2020/04/23町田15.7830915000
2020/04/10品川晴れ19840878000
2020/05/08品川14.4790877000
2020/05/22町田曇り15.1970874000
2020/04/24品川17.3760845000
2020/05/21上野曇り15.5730824000
2020/03/13町田曇り17.4750808000
2020/03/26品川曇り15.6730804000
2020/03/19町田曇り16.3840773000
2020/05/29上野晴れ12.3730721000
2020/03/12上野晴れ19.9760698000
2020/05/28町田13.7760697000
2020/05/01上野13.1710694000
2020/04/17品川晴れ17.1720691000
2020/04/02町田14.8610628000
2020/03/20町田15.7560612000
2020/03/27品川曇り15.6590610000

FILTER関数での複数条件設定(AND条件とOR条件の組合わせ):計算式の例

例1: 来客数と売上、または会場と天気に基づくフィルタリング

来客数が1000人以上かつ売上が100万円以上のイベント、または「上野」で開催された「雨」の日のイベントを抽出します。

=FILTER(A2:F27, ((E2:E27>=1000) * (F2:F27>=1000000)) + ((B2:B27="上野") * (C2:C27="雨")))

例2: 気温と天気、または来客数に基づくフィルタリング

気温が19度以上で「晴れ」の日のイベント、または来客数が980人以上のイベントを抽出します。

=FILTER(A2:F27,((D2:D27>=19)*(C2:C27="晴れ"))+(E2:E27>=980))

例3: 気温(範囲指定)と天気基づくフィルタリング

気温が「18度以上20未満」の日のイベント、または天気が「曇り」のイベントを抽出します。

=FILTER(A2:F27,(D2:D27>=18)*(D2:D27<20)+(C2:C27="曇り"))

例4: 開催日(日付型期間)、または来客数に基づくフィルタリング

開催日が2020/4/1~4/30の日のイベント、または来客数が600人以下のイベントを抽出します。日付データはDATEVALUE関数での処理が必要です。

=FILTER(A2:F27,(A2:A27>=DATEVALUE("2020/4/1"))*(A2:A27<=DATEVALUE("2020/4/30"))+(E2:E27<=600))

ヒント・よくある間違いとまとめ

複数の条件を組み合わせる際には、条件の優先順位とグループ化に注意してください。また、条件が互いに矛盾しないようにすることも重要です。

また、各条件は括弧で囲みます。さらに括弧を有効に使うことでAND条件をOR条件の優先処理度を決定させます。

AND条件とOR条件を組み合わせることで、ExcelのFILTER関数を使った高度なデータフィルタリングが可能になります。この技術を使って、あなたのデータ分析をさらに深めてみてください。

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