FILTER関数での複数条件設定 (1) AND条件の設定方法

FILTER関数での複数条件設定 (1) AND条件の設定方法

ExcelのFILTER関数は、データを条件に基づいて絞り込む強力なツールです。この記事では、複数の条件を組み合わせて使用する「AND条件」の設定方法に焦点を当てます。

AND条件は複数の条件をすべて満たしたものだけを取り扱い対象とさせる条件設定です。

AND条件の基本

AND条件では、複数の条件がすべて真である場合にのみ、データが抽出されます。Excelでは、これを実現するために条件式を括弧で囲み、それぞれを乗算(*、掛け算)することで表現します。

条件式は第二引数である「含む」で設定します。

A2:F27のリストの中で「B列が上野、D列が20以上」の「両方・すべてを満たす」抽出式は以下の通りとなります(AND条件)。下線部分が第二引数の「含む」欄です。条件式を括弧で囲み、それぞれを乗算してAND条件設定として認識させています。

=FILTER(A2:F27, (B2:B27="上野") * (D2:D27>=20))

解説で使用するデータセット

さらにFILTER関数での複数条件設定(AND条件)の設定例を見てまいりましょう。

以下のデータセットを使用して、AND条件の設定方法を実践します。このデータセットには、イベントの開催日、会場、天気、気温、来客数、売上が含まれています。

開催日会場天気気温来客数売上
2020/04/09上野晴れ18.510801159000
2020/05/15品川曇り17.39301071000
2020/05/14品川晴れ20.711001046000
2020/04/30上野晴れ17.39701043000
2020/03/06上野曇り1510001011000
2020/05/07町田曇り17.89201002000
2020/04/03上野晴れ20.5980977000
2020/03/05上野晴れ17.6840967000
2020/04/16上野曇り15930920000
2020/04/23町田15.7830915000
2020/04/10品川晴れ19840878000
2020/05/08品川14.4790877000
2020/05/22町田曇り15.1970874000
2020/04/24品川17.3760845000
2020/05/21上野曇り15.5730824000
2020/03/13町田曇り17.4750808000
2020/03/26品川曇り15.6730804000
2020/03/19町田曇り16.3840773000
2020/05/29上野晴れ12.3730721000
2020/03/12上野晴れ19.9760698000
2020/05/28町田13.7760697000
2020/05/01上野13.1710694000
2020/04/17品川晴れ17.1720691000
2020/04/02町田14.8610628000
2020/03/20町田15.7560612000
2020/03/27品川曇り15.6590610000

FILTER関数での複数条件設定(AND条件):計算式の例

例1: 来客数と売上に基づくフィルタリング

来客数が1000人以上で、かつ売上が100万円以上のイベントを抽出します。

=FILTER(A2:F27, (E2:E27>=1000) * (F2:F27>=1000000))

例2: 会場と気温に基づくフィルタリング

「上野」で開催され、かつ気温が20度以上のイベントを抽出します。

=FILTER(A2:F27, (B2:B27="上野") * (D2:D27>=20))

例3: 日付範囲に基づくフィルタリング

開催日が「2020/5/1~2020/5/15」の間に開催されたイベントを抽出します。「2020/5/1以上、2020/5/15以下」をAND条件で接続します。日付データはDATEVALUE関数で囲む必要があります。

同じフィールドでのAND条件を指定することも以下のように可能になっています。

=FILTER(A2:F27,(A2:A27>=DATEVALUE("2020/5/1"))*(A2:A27<=DATEVALUE("2020/5/15")))

ヒント・よくある間違いとまとめ

条件式を正しく設定することが重要です。また、複数の条件を組み合わせる際には、それぞれの条件が独立していることを確認してください。

また各条件式を括弧で囲みます。

AND条件を使うことで、より詳細なデータの絞り込みが可能になります。次の記事では、OR条件の設定方法について解説します。

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