尖度

「尖度(せんど)」の概要

「尖度」は、データ分布の鋭さ、あるいはピークの尖り具合を示す指標です。具体的には、確率変数の4次の中心モーメント(データの平均からの偏差の4乗の平均)を指し、これを正規分布の尖度(3.0)で割ったものが尖度となります。

尖度は以下の特性を持ちます。

  • 正規分布の場合の尖度は0と定義されます(ただし、確率変数の4次の中心モーメントで計算すると3になりますが、尖度を示す際には3を引くことが一般的で、その結果が0になります)。
  • 尖度が0より大きい(正)場合、分布は正規分布よりも尖っており、「リーチー(leptokurtic)」または「重尾(heavy-tailed)」と呼ばれます。つまり、データは平均付近に集中し、または極端な値(外れ値)を多く持っている可能性があります。
  • 尖度が0より小さい(負)場合、分布は正規分布よりも扁平で、「プラチカーティック(platykurtic)」または「軽尾(light-tailed)」と呼ばれます。つまり、データは平均付近から広く分散している可能性があります。

尖度を計算することで、データ分布の形状についてより深い理解を得ることができます。尖度を用いることで、単に分散や標準偏差だけでは分からないデータの特性を把握することが可能となります。

Excelにおける尖度の取扱

Excelでは尖度を計算するための関数「KURT」というものが提供されています。「KURT」関数はデータの尖度を計算するために使われます。

使用方法は以下の通りです:

=KURT(データ範囲)

ここで「データ範囲」は尖度を計算したいセル範囲を指定します。例えば、あなたがセルA1からA10までのデータの尖度を計算したい場合は、次のようになります:

=KURT(A1:A10)

この式を実行すると、A1からA10までのデータの尖度が計算されます。この値が0より大きければ分布はリーチー(leptokurtic)、0より小さければプラチカーティック(platykurtic)と解釈できます。

ただし、ExcelのKURT関数は、データの個数が4以上でなければ計算できないという制約があります。また、尖度の計算は平均や分散といった他の統計量が大きく影響するため、データの範囲指定には注意が必要です。

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