Excelでは、さまざまな関数を使って数値を切り捨てることができます。この記事では、切り捨てを実現する5つの主な関数とそれぞれの違いについて説明します。これらの関数を使って、どのような状況でも数値を正確に切り捨てることができます。
1. FLOOR 関数
FLOOR 関数は、指定された倍数に向かって切り捨てるために使用されます。使用法は、=FLOOR(数値, 倍数)
です。例えば、=FLOOR(7.5, 5)
は 5 に切り捨てられます。
2. FLOOR.PRECISE 関数
FLOOR.PRECISE 関数も、指定された倍数に向かって切り捨てますが、正の数値と負の数値の両方で動作します。使用法は、=FLOOR.PRECISE(数値, 倍数)
です。例えば、=FLOOR.PRECISE(-7.5, 5)
は -10 に切り捨てられます。
3. INT 関数
INT 関数は、数値を切り捨てて最も近い整数に変換します。使用法は、=INT(数値)
です。例えば、=INT(3.9)
は 3 に切り捨てられます。負の数値の場合、=INT(-3.9)
は -4 に切り捨てられます。
4. TRUNC 関数
TRUNC 関数は、数値の小数部分を切り捨て、整数部分だけを返します。使用法は、=TRUNC(数値, [桁数])
です。桁数はオプションで、指定しない場合は整数部分のみが返されます。例えば、=TRUNC(3.9)
は 3 に切り捨てられます。負の数値の場合も同様に、=TRUNC(-3.9)
は -3 に切り捨てられます。
5. ROUNDDOWN 関数
ROUNDDOWN 関数は、指定された桁数に向かって数値を切り下します。使用法は、=ROUNDDOWN(数値, 桁数)
です。桁数は、切り捨てたい小数点以下の桁数を指定します。例えば、=ROUNDDOWN(3.9876, 2)
は 3.98 に切り捨てられます。負の数値の場合も同様に、=ROUNDDOWN(-3.9876, 2)
は -3.98 に切り捨てられます。
関数の選び方と適用例
これらの関数を選ぶ際には、切り捨て方や対象の数値に応じて適切なものを使い分けることが重要です。以下に、各関数の適用例を示します。
- FLOOR 関数:5 の倍数に切り捨てたい場合。例:
=FLOOR(32, 5)
は 30 になります。 - FLOOR.PRECISE 関数:正負の両方に対して同じ倍数に切り捨てたい場合。例:
=FLOOR.PRECISE(-32, 5)
は -35 になります。 - INT 関数:小数点以下をすべて切り捨てたい場合。例:
=INT(4.6)
は 4 になります。 - TRUNC 関数:小数点以下の特定の桁数まで残して、それ以降を切り捨てたい場合。例:
=TRUNC(3.9876, 2)
は 3.98 になります。 - ROUNDDOWN 関数:特定の桁数に丸めたいが、切り捨て方向に寄せたい場合。例:
=ROUNDDOWN(3.9876, 1)
は 3.9 になります。
以上が、Excel の切り捨て関数の概要と適用例です。状況やニーズに応じて、適切な関数を使い分けることで、正確な結果を得られるでしょう。
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