トリム平均

トリム平均とは

トリム平均(Trimmed Mean、 Truncated Mean、 または切り捨て平均)は、データの両端から一定の割合を切り捨てた残りのデータの平均を求める手法です。具体的には、データを昇順または降順に並べ、最小値側と最大値側から指定した割合のデータを除外(または「トリミング」)してから平均を計算します。

トリム平均の目的は、外れ値やノイズによる影響を軽減しつつ、データの中心傾向を評価することです。例えば、試験の採点で最高得点と最低得点を除外するのは、トリム平均の一例です。

Excelでは、TRIMMEAN関数を使ってトリム平均を計算できます。この関数は2つの引数を取ります:データの配列と、トリミングする割合です。たとえば、

=TRIMMEAN(A1:A10, 0.2)

は、セルA1からA10までのデータのうち、上位と下位の20%を除外して平均を計算します。

注意点としては、TRIMMEAN関数は常に下側と上側から同じ割合のデータを除外します。つまり、下側だけまたは上側だけからデータを除外することはできません。また、トリミングする割合は0から1の間である必要があります。

トリム平均がよく使われるシーン

トリム平均は、データセットにおける極端な値(外れ値)の影響を緩和するために使用されます。以下に、いくつかの具体的なシーンを挙げてみます。

  1. スポーツの採点:フィギュアスケートや体操などのスポーツでは、審判の採点が主観によるものであるため、トリム平均が使用されることがあります。全審判の採点から最高得点と最低得点を除外し(これがトリム平均の一例)、より公平な平均点を算出します。
  2. 調査データの分析:アンケートや市場調査などのデータ分析で、回答者の中に極端な意見を持つ人がいる場合、その影響を緩和するためにトリム平均が使われることがあります。
  3. 経済データの分析:経済指標の分析においても、特定の企業や業界の極端なパフォーマンスが全体の平均を歪めるのを防ぐためにトリム平均が使用されます。
  4. 教育の評価:学生のテストスコアを分析するとき、特定の学生が極端に高いまたは低いスコアを取った場合、そのスコアが全体の平均に大きな影響を及ぼすことがあります。トリム平均を使用すると、これらの極端なスコアの影響を緩和し、クラス全体のパフォーマンスをより正確に評価することができます。

以上のようなシチュエーションでは、トリム平均を使用することで、データの中心傾向をより正確に、または公平に評価することが可能となります。

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