CHISQ.DIST.RT関数の詳細解説(Excel)

Excel CHISQ.DIST.RT関数の使い方

本記事では、Excelの「CHISQ.DIST.RT関数」の使い方について解説します。CHISQ.DIST.RT関数は、カイ二乗分布の右尾確率を計算する関数であり、統計解析でよく利用されます。これにより、カイ二乗検定などで得られたカイ二乗値と自由度から、帰無仮説を棄却するかどうかを判断することができます。

CHISQ.DIST.RT関数の書式

CHISQ.DIST.RT関数の書式は以下の通りです。

=CHISQ.DIST.RT(x, 自由度)

ここで、引数は以下の通りです。

  • x : カイ二乗値。
  • 自由度 : カイ二乗分布の自由度。

サンプルデータ

以下のサンプルデータを用いて、CHISQ.DIST.RT関数の使い方を説明します。

A B
1 カイ二乗値 自由度
2 10 5

このデータでは、カイ二乗値が10で自由度が5です。これを用いて、CHISQ.DIST.RT関数で右尾確率を計算します。

CHISQ.DIST.RT関数の使用例

セルC2に以下の式を入力し、右尾確率を計算します。

=CHISQ.DIST.RT(A2, B2)

計算結果として、C2セルには「0.073224」という値が表示されます。これは、カイ二乗値が10で自由度が5のカイ二乗分布において、右尾確率が約7.32%であることを示しています。

この右尾確率を用いて、帰無仮説を棄却するかどうかを判断できます。例えば、有意水準を5%とした場合、右尾確率が5%以下であれば帰無仮説を棄却します。今回の場合、右尾確率が7.32%であるため、帰無仮説を棄却できません。一方、有意水準を10%とすると、右尾確率が10%以下であるため、帰無仮説を棄却することができます。

CHISQ.DIST.RT関数の応用例

CHISQ.DIST.RT関数は、カイ二乗検定や適合度検定など、様々な統計解析で利用できます。以下では、適合度検定の例を用いて、CHISQ.DIST.RT関数の応用例を説明します。

適合度検定では、観測度数と期待度数がどの程度一致しているかを調べます。例えば、ある企業の従業員の性別比を調べたい場合、以下のようなデータが得られたとします。

A B C
1 性別 観測度数 期待度数
2 男性 60 50
3 女性 40 50

この場合、期待度数が男性50人、女性50人であると仮定して、実際に観測された度数が男性60人、女性40人である場合の適合度を調べることができます。

まず、カイ二乗値を求めます。カイ二乗値は、観測度数と期待度数の差の二乗を期待度数で割った値の和です。

カイ二乗値 = Σ((観測度数 - 期待度数)^2 / 期待度数)

この例では、カイ二乗値は以下のように計算できます。

カイ二乗値 = ((60 - 50)^2 / 50) + ((40 - 50)^2 / 50) = 4

次に、自由度を求めます。自由度は、調べるカテゴリ数から1を引いた値です。この例では、性別のカテゴリ数が2であるため、自由度は1です。

最後に、CHISQ.DIST.RT関数を用いて、カイ二乗値と自由度から右尾確率を求めます。

=CHISQ.DIST.RT(4, 1)

この式をExcelのセルに入力すると、右尾確率が「0.045500」(約4.55%)と計算されます。

有意水準を5%と設定した場合、右尾確率が4.55%であるため、帰無仮説(観測度数と期待度数に差がないとする仮説)を棄却します。これは、実際の従業員の性別比が期待される比率とは異なることが示唆される結果です。

まとめ

本記事では、ExcelのCHISQ.DIST.RT関数の使い方について解説しました。CHISQ.DIST.RT関数は、カイ二乗分布の右尾確率を計算するための関数であり、統計解析の様々な場面で利用できます。具体的なサンプルデータを用いて、関数の使い方や応用例を説明しました。初級者でもわかるように正確で丁寧な解説を心掛けました。これを機に、Excelを活用した統計解析に挑戦してみてください。

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