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【PowerPoint】ファイルサイズが大きすぎるときの画像圧縮と最適化手順

この記事で分かること

PowerPoint のファイルサイズを「図の形式」→「図の圧縮」で画像一括圧縮する手順を解説。150 ppi で 64MB を 5MB 以下に縮めた実測結果も紹介します。

PowerPoint のファイルサイズが膨らむ原因は、ほとんどの場合高解像度の画像です。テキストやスライドレイアウトはほとんど容量を消費しません。

この記事では、実際に約 64 MB(64,164 KB)のファイルを 5 MB 以下に圧縮した手順を紹介します。最も効果が大きいのは「画像の圧縮」機能による一括圧縮で、これだけで 8〜9 割の削減が見込めます。

ファイルサイズが大きくなる原因は「画像」

PowerPoint に貼り付けた写真やスクリーンショットは、スライド上では小さく見えても、元画像のデータがそのまま埋め込まれています。

スマートフォンで撮った写真(4000×3000 ピクセル、1 枚 8〜10 MB)を 5〜6 枚貼るだけで、ファイルは 50 MB を超えることがあります。

一方、次の要素はサイズにほとんど影響しません。

  • テキスト・ノート ― 大量に書いても数 KB 程度
  • スライドレイアウト ― 標準テーマなら 11 レイアウトすべて合わせても数十 KB
  • アニメーション設定 ― XML 定義のみなので軽量

つまり、ファイルサイズの削減は「画像の圧縮」が最優先です。他の対策は効果が限定的なので、まず画像から手をつけましょう。

画像を一括で圧縮する手順

PowerPoint には、ファイル内の画像をまとめて圧縮する機能があります。操作は 1 分で終わり、効果は劇的です。

手順 1 ― 画像を選択する

スライド上のどれか 1 つの画像をクリックして選択します。どのスライドの画像でもかまいません。

画像を選択すると、リボンの右端に「図の形式」タブが現れます。

PowerPoint で画像を選択するとリボン右上に表示される「図の形式」タブ

「図の書式設定」というタブ名で探す方がいますが、Microsoft 365 / Office 2019 以降では「図の形式」という名前です。タブが見つからない場合は、画像が選択されているか確認してください。

手順 2 ― 「図の圧縮」をクリックする

図の形式」タブの左側にある「図の圧縮」ボタンをクリックします。「画像の圧縮」ダイアログが表示されます。

PowerPoint の「画像の圧縮」ダイアログ。圧縮オプションと解像度を選択できる

手順 3 ― 圧縮オプションを設定する

ダイアログには次の設定項目があります。

圧縮オプション

  • 「この画像だけに適用する」 ― 画像を選択した状態でダイアログを開くと、初期状態でチェックが入っています。ファイル内のすべての画像をまとめて圧縮するには、このチェックを外してください。
  • 「図のトリミング部分を削除する」 ― チェックを入れると、トリミング(切り抜き)で隠していた部分の画像データが完全に削除されます。初期状態では外れているので、トリミング部分も整理したい場合はチェックを入れてください。

注意: トリミング部分を削除すると、あとからトリミング範囲を広げて元の画像に戻すことができなくなります。圧縮前に元ファイルのコピーを取っておきましょう。

解像度

用途に合った解像度を選びます。

「画像の圧縮」ダイアログの解像度選択肢のクローズアップ。Web (150 ppi) が推奨設定
選択肢ppi向いている用途
高品質元のまま写真集のような高精細印刷
HD330大画面モニター向け
印刷用220社内印刷・配布資料
Web150メール添付やプロジェクター投影
電子メール用96ファイルサイズを最小にしたいとき

ダイアログを開いたとき最初に選ばれている解像度は、環境の設定によって異なります。「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」の「イメージのサイズと画質」で既定の解像度を変更できます。

迷ったら「Web(150 ppi)」がおすすめです。プロジェクター投影やメール添付には十分な画質で、ファイルサイズを大幅に削減できます。

手順 4 ― OK をクリックして保存する

「OK」をクリックすると圧縮が実行されます。処理は一瞬で終わります。そのあと Ctrl+S で上書き保存すると、ファイルサイズが反映されます。

実測:どのくらい小さくなるか

4000×3000 ピクセルの JPEG 画像を 6 枚貼ったテストファイル(64,164 KB / 約 62.7 MB)で、解像度別の圧縮結果を測定しました。

解像度設定圧縮後のサイズ削減率
印刷用(220 ppi)14,724 KB(約 14.4 MB)77%
Web(150 ppi)5,052 KB(約 4.9 MB)92%
電子メール用(96 ppi)1,457 KB(約 1.4 MB)98%

150 ppi を選ぶだけで、64,164 KB のファイルが 5,052 KB(約 92% 削減)まで縮みました。メールの添付容量制限(10〜25 MB)に引っかかっていたファイルも、これで問題なく送れます。

圧縮前 64,164 KB と圧縮後 5,052 KB のファイルサイズ比較 (約 92% 削減)

トリミング部分を削除して追加で軽くする

PowerPoint の「トリミング」機能で画像の端を隠している場合、非表示部分の画像データはファイルに残り続けています。

「画像の圧縮」ダイアログの圧縮オプション部分。「図のトリミング部分を削除する」のチェックボックス

前のセクションで紹介した「画像の圧縮」ダイアログにある「図のトリミング部分を削除する」にチェックを入れれば、この隠れたデータも同時に消せます。初期状態では外れていることが多いので、トリミング部分も整理したい場合はチェックを入れてから OK を押してください。

トリミングを多用しているファイルでは、この設定だけで 30% 以上の追加削減が見込めます。

なお、トリミングではなく画像の「位置やサイズ変更」で見た目を調整しているだけの場合、この設定は効果がありません。

埋め込みフォントを確認する

フォントの埋め込みが有効になっていると、フォントデータがファイル内に保存されるため、日本語フォントでは数 MB〜十数 MB サイズが増えることがあります。

確認手順

  1. ファイル」→「オプション」→「保存」タブを開く
  2. ファイルにフォントを埋め込む」のチェックを確認する
PowerPoint のオプション 保存タブ。「ファイルにフォントを埋め込む」チェックボックスの確認場所

このチェックが入っていなければ、フォントは埋め込まれていないので問題ありません。

フォントの埋め込みが必要な場合(相手の PC にフォントがないときなど)は、「使用されている文字だけを埋め込む」を選ぶと、全文字セットを埋め込むよりサイズを抑えられます。

効果は小さいが知っておきたい対策

以下の方法は、画像圧縮と比べると効果は限定的です。ただし、特定の状況では効くことがあるので、余裕があれば確認しましょう。

不要なスライドマスター・レイアウトを整理する

他のファイルからスライドをコピーすると、コピー元のテーマ(スライドマスター)が一緒に持ち込まれることがあります。複数のテーマが蓄積すると、数百 KB〜数 MB の増加になります。

表示」タブ→「スライドマスター」を開き、使っていないレイアウトやマスターがあれば右クリックで削除します。

ただし、標準テーマ(Office テーマ)の未使用レイアウトだけを削除しても、ほとんどサイズは変わりません。この対策が効くのは、複数の異なるテーマが混在しているファイルに限られます。

埋め込み動画を確認する

動画が埋め込まれている場合、1 本で数十 MB〜数百 MB になることがあります。「ファイル」→「情報」→「メディアの圧縮」で動画の圧縮ができます。

サイズが問題になるほど大きい動画は、ファイル内に埋め込まずにリンク参照に変更するのも有効です。ただし、リンク参照はファイルのパスが変わると再生できなくなるため、動画ファイルと .pptx を同じフォルダに入れて管理するのが安全です。

.ppt 形式を .pptx に変換する

古い .ppt 形式(PowerPoint 97-2003)のファイルは、「名前を付けて保存」で .pptx 形式に変換するだけでサイズが小さくなることがあります。.pptx は内部が ZIP 圧縮されているためです。

まとめ

PowerPoint のファイルサイズを小さくするには、画像の圧縮が圧倒的に効果的です。

  1. スライド上の画像を選択して「図の形式」タブ →「図の圧縮」を開く
  2. 「この画像だけに適用する」のチェックが外れていることを確認する
  3. 解像度は「Web(150 ppi)」がおすすめ(約 92% 削減の実測あり)
  4. トリミングを戻せなくてよい場合は、「図のトリミング部分を削除する」にチェックを入れる
  5. OK をクリックして上書き保存する

64 MB のファイルが 5 MB 以下になった実測結果があるように、ほとんどのケースはこの 1 つの操作で解決します。それでもサイズが大きい場合は、埋め込みフォントや動画を確認してください。

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