マコーレー・デュレーション(Macaulay Duration)

マコーレー・デュレーション(Macaulay Duration)概要

「マコーレー・デュレーション」(Macaulay Duration)は、債券や他の金融商品の利払いのタイミングを考慮した、その商品の平均的な満期までの期間を測る指標です。この概念は、金融理論家フレデリック・マコーレーの名前を取って名付けられました。

マコーレー・デュレーションは、投資家が債券の利払い(クーポン)と元本返済のタイミングを考慮して、債券の利息変動リスクを評価するのに役立つ概念です。デュレーションが長ければ長いほど、その債券の価格は市場の利率変動に敏感に反応します。

マコーレー・デュレーションを計算するための公式は次の通りです:

D = (1/n) * Σ [(t/n) * (C/(1+r)^t)] + [(T/n) * (M/(1+r)^T)]

ここで、

  • Dはマコーレー・デュレーション
  • nは債券のクーポン支払い回数
  • tは特定のクーポン支払いまでの期間(通常は年)
  • Cは各クーポンの現金支払い額
  • rは市場の利率(割引率)
  • Tは債券の満期までの期間(通常は年)
  • Mは債券の額面価格(つまり、満期時に投資家に返済される額)

マコーレー・デュレーションは金融の世界でよく使われる概念で、債券の価格変動リスクを評価し、異なる債券や他の金融商品を比較するのに用いられます。

Excelでの処理

Excelには「DURATION」と「MDURATION」の2つの関数があり、両者とも債券のデュレーション(つまり、市場利率の変動に対する債券の価格の感受性)を計算しますが、それぞれ少し異なる計算を行います。

  • 「DURATION」関数はマコーレー・デュレーションを計算します。マコーレー・デュレーションは債券のキャッシュフロー(クーポンの支払いと額面価格の返済)が現在価値で重み付けされた平均の期間を表し、債券の価格が市場利率の変動にどれだけ敏感に反応するかを測る指標です。
  • 一方、「MDURATION」関数はモディファイド・デュレーションを計算します。モディファイド・デュレーションはマコーレー・デュレーションに対する1年間の利率の変化の影響を調整したもので、マコーレー・デュレーションとは異なり、値が小さければ小さいほど、その債券の価格は市場利率の変動に対して反応が小さいことを意味します。

これら2つの関数はどちらも債券の市場利率の変動に対する感受性を測るもので、特に債券のリスク管理やポートフォリオ管理に役立つ情報を提供します。ただし、モディファイド・デュレーションは通常、金利リスクの計測によく使われます。

DURATION関数

DURATION」関数はマコーレー・デュレーションを計算します。これは債券や他の金融商品の平均的な満期までの期間を、そのキャッシュフロー(クーポン支払いや元本返済)の現在価値で重み付けしたものです。この指標は債券の価格が市場利率の変動にどれだけ敏感に反応するかを測るのに使われます。

DURATION関数の形式は次のとおりです:

=DURATION(受渡日, 満期日, 利率, 利回り, 頻度, [基準])

ここで、

  • 受渡日 は債券の購入日
  • 満期日 は債券の満期日
  • 利率 は債券の年間クーポン利率
  • 利回り は債券の年間利回り
  • 頻度 は年間の利子支払い回数(例:年2回なら2、年1回なら1など)
  • [基準](オプション)は日数の計算方法(例:実日数/実日数なら0、30日/360日なら1など)

DURATION関数は債券の価格変動リスクを評価する際や、異なる債券を比較する際に有用です。ただし、DURATION関数は年次クーポン支払いの債券に対してしか適用できないため、異なる時点で異なる現金フローを持つ債券のデュレーションを計算するには、マコーレー・デュレーションの公式を用いて手動で計算する必要があります。

MDURATION関数

Excelでは「MDURATION」関数を使ってマコーレー・デュレーションを計算することができます。ただし、この関数は年次クーポン支払いの債券に対してモディファイド・デュレーションを計算します(これはマコーレー・デュレーションに対する1年間の利率の変化の影響を調整したものです)。

MDURATION関数の形式は次のとおりです:

=MDURATION(受渡日, 満期日, 利率, 利回り, 頻度, [基準])

ここで、

  • 受渡日 は債券の購入日
  • 満期日 は債券の満期日
  • 利率 は債券の年間クーポン利率
  • 利回り は債券の年間利回り
  • 頻度 は年間の利子支払い回数(例:年2回なら2、年1回なら1など)
  • [基準](オプション)は日数の計算方法(例:実日数/実日数なら0、30日/360日なら1など)

ただし、この関数は債券の価格を入力として取るわけではないため、債券の現在価値や将来価値を計算する場合は他のExcel関数(例えば「PV」や「FV」)を使用する必要があります。

また、異なる時点で異なる現金フローを持つ債券や他の金融商品のマコーレー・デュレーションを計算するには、上記のマコーレー・デュレーションの公式を用いて手動で計算する必要があります。この場合、各現金フローの現在価値を計算し、それらを加重平均してデュレーションを求めます。その際に「PV」関数を使って各現金フローの現在価値を求めることができます。

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